月形町は、JR札沼線廃止に伴い計画しているバスターミナルを中心とした地域拠点施設整備などの基本構想をまとめた。建設地にはJR石狩月形駅周辺エリア、交流センター周辺エリア、月形小グラウンドという3つの候補地を選定。交通機能に加え、集会施設や商業スペースといった交流機能を持たせることを想定している。観光拠点である皆楽公園エリアの再整備も構想しており、エリアを6つにゾーニングし、温泉や宿泊施設の改修なども含め整備方針を検討していく考えだ。
町では、来年5月のJR札沼線の廃止に伴い、代替路線バスや新たに設ける町内公共交通を運行することから、バスターミナルの整備を早急に進める必要があった。加えて、町内には温泉や宿泊、レクリエーション施設などが集積する皆楽公園もあり、こちらも1984年以降、町民の憩いの場などとして活用されてきたが、それぞれの施設の老朽化が進み、維持管理コストの増加や、外国人など新たな観光需要への対応も大きな課題となっていた。
こうした施設の整備や老朽化対策、類似施設の統廃合などを含め、住民生活に関わる施設の拠点化や観光施設の充実、管理・運営方法見直しを図るため、整備の方向性などをまとめた。
方向性として設定したのは①バスターミナルを中心とした地域住民の交流拠点となる施設整備②皆楽公園エリアの温泉、宿泊施設等を観光拠点化施設として再整備するとともに、町民の憩いの場としてエリア全体の機能強化を図る―の2点。
コンパクトなまちづくりやまちの魅力向上、町民の生活を支える視点、エネルギー消費の効率化や災害にも強いエリアの形成など施設整備を推進する上での視点に加え、「エリアネットワークとコミュニティの拠点 樺戸HUB(ハブ)―みんなが立ち寄り集う地域の安心と賑わいの空間―」をコンセプトに掲げた。
地域拠点施設の整備エリアに挙げているのは、JR石狩月形駅周辺の約1万3600m²、交流センター「つき・あえ~る」周辺の約7000m²、月形小グラウンド約9000m²の3つ。拠点施設には、集会施設や商業スペース、観光PR施設などの機能導入も視野に入れている。
また、皆楽公園周辺エリア一帯を、温泉ゆりかごや温泉ホテルなどが立地する、機能と魅力を見直した施設群ゾーンや、キャンプ場などがある豊かな自然を体感し楽しむキャンプゾーンなど6つにゾーニングし、整備方針をまとめていく。
地域拠点施設や皆楽公園エリアの各施設の管理運営に当たっては、より効果的に管理・運営できるよう、町が直接管理する公設公営、指定管理事業者による公設民営、施設運営を町、管理を民間とする管理委託など多様な手法から検討する。
今後、地域拠点施設等整備について議論する審議会も設置する予定で、そこでの議論も踏まえ、年内には施設整備の場所や整備内容について方向性を示す見通しだ。