札幌市内で2カ所目となる京王グループのホテル「京王プレリアホテル札幌」が24日にオープンした。同グループの新戦略として展開する宿泊特化型アッパーミドルホテルとして、ダブルルームを主体に359室を完備する。京王プレリアホテル札幌(本社・札幌)の松下徳良社長は、運営する京王プラザホテル札幌と連携し、質の高い接客と食を武器に「選ばれるホテル」を目指している。
―札幌で2カ所目となる新ブランドのホテルが誕生した。
ホテルブランドとしては、シティーホテルの京王プラザホテルと東京にある京王プレッソインの中間に当たる。国内観光客を主なターゲットとし、次に訪日外国人と位置付けた。ただ、JR札幌駅や北大に近いことから、ビジネスや受験生の需要もあると思う。初年度の稼働率は80%を目標に掲げている。
―京王プラザホテル札幌とどのような相乗効果が生まれるのか。
新規開業のため、経験あるスタッフが必要だった。京王プラザホテル札幌から、多くの従業員が出向で来てもらっている。京王プラザホテルは総合シティーホテルとして、宿泊、宴会など多様な部門があるが、京王プレリアホテルは、宿泊特化型なので相互の人材のやりとりは教育、研修でも非常にいい機会だと思っている。従業員の視野を広め、少しずつプレリア対応の人間を増やしたい。
―札幌市内でホテル建設が続き、宿泊客の獲得競争が予想される。
北海道新幹線札幌開業や道内空港一括民営化を控えるなど、札幌はとてもいい環境にある。そうした動きに併せてホテルラッシュとなるのは想定内なので、共存共栄ができればいい。
最近の訪日外国人は、中国や東南アジアが増えている。新宿にある京王プラザホテルでは75―80%が海外客となっていて、札幌も40%で推移している。
一方で、米中貿易の緊張が高まるなど、政治的な問題が起きると観光は冷え込む可能性がある。京王プレリアホテル札幌では、国内客をメインとしているので、訪日外国人の獲得は20%と低く滑り出す予定だ。
(2019年5月27日付の北海道建設新聞より)