湧別町が、町内関係団体と共に、家畜のふん尿などを活用したバイオガスプラント建設に向け、検討を進めていることが明らかになった。2018年度に町内酪農家を対象に実施した調査では、20戸が事業に参加する意向を表明。参加予定の酪農家が飼育する乳牛頭数から想定されるプラント数は、個別型5基、集中型3基の計8基で、建設費は約44億円と試算している。
18日に実施した定例町議会一般質問で、石田昭広町長が言及した。検討に至る背景について石田町長は「農協などから、ふん尿の適正処理、有効活用のためバイオガスプラント建設を求める声があった」と説明。その上で「町内の乳牛頭数が管内最多であることや、酪農家の規模拡大が進んでいる様子を見て、プラント建設が望ましいのではと考えている」と自身の見解を述べた。
18年度に同町、農協、漁協などで構成する湧別町バイオマス推進協議会を設立し、家畜ふん尿の有効活用に向けた調査・研究を開始。町内酪農家を対象とした調査では、ふん尿の排出量、処理方法、バイオガスプラント事業への参加意思などを聞き、20戸の酪農家から参加の意向を得た。
19年度も引き続き、酪農家への詳細調査を実施し、新たな事業参加者の洗い出し、電力・余剰熱の地産地消利用に向けた検討を進める方針。プラント建設の実現性、建設場所、規模などについては19年度の調査結果を基に決定する見通しだ。
また、石田町長は、役場内にバイオマス産業都市構想策定プロジェクトを設け、同構想策定に関する検討を進めていることも報告。
バイオガスプラント建設の事業主体に関しては「農協、生産者団体などが主体になると考えられる」と説明した。