教員の勤務時間

2019年06月24日 09時00分

 短文投稿サイト「ツイッター」に以前、働き方に関する書き込みがあり、読んでつい笑ってしまった。真偽のほどは分からないが、こんな内容である

 ▼投稿者は経営者同士が会話しているのを横で聞いていたらしい。一方が尋ねたそうだ。「労働時間短縮、有休消化と規制が厳しくなってわれわれ中小には大変。お宅はどう?」。すると他方が答えた。「ああ、うちはまだ労働基準法を会社に入れてないから大丈夫」。法律を努力目標程度に捉えていたようだ。さすがに「ネタ」だろう、という気がしないでもない。ただ、日本ではそんな感覚の組織も実際多いのでないか。経済協力開発機構(OECD)が先週発表した「国際教員指導環境調査2018」の報告を見て考えさせられた

 ▼日本の小中学校教員の勤務時間が加盟国・地域の中で飛び抜けて長い実態が明らかになったのである。1週間当たり小学校で54・4時間、中学校で56時間。これは2番目に長い国と比べ、それぞれ6・1時間、7・2時間も長い。他国と比べ授業や採点の時間は変わらないものの、事務作業や部活指導の長さが目立つ。かねてから現場ではICT活用や事務効率化の遅れが指摘されてきた。弊害が出ているのだろう

 ▼かつて水谷豊さんが小学校の先生役を務め大当たりしたドラマ『熱中時代』(日本テレビ)を思い出す。水谷さんは昼夜関係なく、全力で子どもたちのために働く熱血教師。やはり労基法とは無縁だったようだ。ドラマならいいが現にあれでは早晩燃え尽きる。やりがいだけで続けられるほど甘い仕事ではない。


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