2026年冬季五輪開催地が24日、イタリアの2都市に決まった。30年大会招致を目指す札幌市の秋元克広市長は「招致レースが実質的にスタートする」と談話を発表。市民理解が得られるよう対話を重ねながら、コスト抑制など開催計画の見直しを進める考えを示した。
国際オリンピック委員会(IOC)は24日、スイスのローザンヌで総会を開き、26年大会の開催地にイタリアのミラノ、コルティナダンペッツォの2都市を選出した。同国開催は、06年トリノ以来で夏冬合わせ4度目。
委員投票の結果、同じく2都市開催を提案したスウェーデンのストックホルム、オーレは47対34(棄権1)で敗れた。
26年大会は当初、札幌市を含む7都市が立候補を表明していたが、最後は2候補の争いになった。
近年は巨額の財政負担が地元の反発を招くなどして、五輪開催の立候補が少なく、招致熱が冷え込む傾向にある。このためIOCは、コスト削減に向けた大会基準の見直しを進め、招致プロセスの改革を検討している。
26年大会では、2候補が複数都市の開催を提案するなど広域化を容認する方向。札幌市が招致を目指す30年大会は、さらに選定方向が大幅に見直される見通しで、市は改革の動向を見据えながら招致レースに挑む方針だ。
一方、国内支持率が重要な要因になることが明確になった。IOC評価報告書では国内支持率がイタリア83%に対し、スウェーデンは55%。IOCのバッハ会長は決め手を「国民の支持率の差だと思う。それは政府の支援にもつながる。多くの委員に明確なシグナルになった」と述べた。
招致賛成と反対がきっ抗している札幌市の招致関係者は、地元や国民理解が重要な要素と指摘。コスト抑制に向け計画見直しを進めながら、8月以降、市民対話を重ね機運を高める姿勢だ。