韓国との貿易見直し

2019年07月04日 09時00分

 客を客とも思わない店で買い物をする気にはなれない。自然な感情だろう。売り手と買い手に立場の上下があるわけではないが、そこに「あうん」の信頼関係があってこそ取引は成り立つ

 ▼日本実業界の父と称される渋沢栄一も、かつてこう言っていた。「事業には信用が第一である。世間の信用を得るには、世間を信用することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ」。韓国に対する輸出管理の運用を厳しくするとの政府発表を聞き、渋沢翁の言葉を思い出した。文在寅政権の発足以来、一層激しさを増す反日姿勢に政府の堪忍袋の緒もついに切れたようだ。韓国はこの見直しを批判し撤回を要求しているが、これだけ日本を足蹴(あしげ)にしておいて「付き合いは従来通りで」とはいささか虫が良すぎよう

 ▼韓国は慰安婦と徴用工の問題で正式な政府間合意を無視した上に交渉にも応じず、海上自衛隊機への火器管制レーダー照射事案もうやむやにしてしまった。政府はきょうから、半導体の製造に欠かせないフッ化水素など3品目の規制を強化した。輸出手続きを優遇するいわゆる「ホワイト国」からも削除する準備をしている。両国の信頼関係が著しく損なわれたのが理由という。もう一つ、軍事転用可能な製品が北朝鮮に流れるのを防ぐためでもあるらしい。そこまで信用は揺らいでいるのである

 ▼信用とは約束を守ること。気に入らないからといって条約や協定を勝手にほごにするのでは信用を失うだけだ。残念だが韓国が自ら呼び込んだ事態だろう。


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