セクシーな方法

2019年09月25日 09時00分

 もう10年近く前になるが、組織人の生態をコント形式で面白おかしく描いたNHKのバラエティー『サラリーマンNEO』を毎週楽しみにしていた。ファンだったという人も多いのでないか

 ▼中でも異色のキャラクターとして絶大な人気を誇ったのが、沢村一樹さん扮(ふん)する「セクスィー部長」こと色香恋次郎である。毎回、強烈な男性的魅力で女性たちを骨抜きにしながら、会社を窮地から救って去っていく。色気をことさら過剰に演出した人物造形や、「セクシー」を本来の発音に近い「セクスィー」と呼び直させる遊び心が笑いを生んでいた。誇張しているとはいえほとんどの日本人にとって、「セクシー」はこうしたエロチックなイメージを帯びた言葉だろう

 ▼それが22日、国連で小泉進次郎環境相の口から飛び出したのだから皆が驚いたのも無理はない。気候変動に関連する会合後の記者会見で、「問題を解決するにはそれが面白く、カッコよく、セクシーでなければならない」と語ったのである。性的な興奮を利用して人にやる気を出させる、という趣旨ではなかったようだ。セクシーには俗語で「イカした」の意味があるのだとか。そもそも小泉氏は同席者の演説を引用しただけだったらしい

 ▼ただ正式な場で使わない言葉のためメディアが面白おかしく紹介した。新人大臣への洗礼だろう。今回に限らず小泉氏で気になるのは話題にはなるものの具体的中身のない発言が多いことである。このままでは女性人気が高いだけの「セクスィー大臣」になってしまいそうだが本人の自覚やいかに。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 日本仮設
  • 古垣建設
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,459)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,279)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,191)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,073)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (852)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。