消費税が8%から10%に引き上げられて4日になる。連日、分かりにくい軽減税率、不公平なポイント還元、対応に苦慮する小売店など現場の混乱ぶりを伝えるニュースは枚挙にいとまがない。やはり順調な滑り出しとはいかなかったようだ
▼もう一つ、消費税といえば話題になるのが駆け込み需要である。ところがこちらもそう大きな反応は見られなかった。皆先を読むことができず、様子眺めをしていたのだろう。消費税の駆け込み需用不発は政府も問題にしていなかろうが、北朝鮮のこのところの駆け込みの多さには頭を抱えていよう。花火でも上げるように間を置かず、ミサイルやいわゆる「飛翔体」の発射を繰り返している。ほとんどが日本に届かぬ短距離型とはいえ実に煩わしい
▼ジャーナリストの辺真一氏は自身のサイト「コリア・レポート」で、米朝実務者協議前の駆け込みだろうと分析していた。同じ見解の識者も多い。協議の行方によってはポンポン打ち上げるわけにはいかなくなるからである。実戦に耐え得る性能を有するには実験が欠かせない上に、発射を止め続けていると国内外から弱腰と評価されかねない。やるなら今のうちというところだろう
▼ただ、2日の潜水艦発射型(SLBM)とみられる弾道ミサイルは再び国連決議違反の一線を越えた。米国を直接攻撃できるSLBMがわが国の排他的経済水域内に落下したからである。隠していても相変わらず北朝鮮の爪や牙は鋭い。協議はきょう開かれるが、トランプ氏再選の実績づくりのために安易な妥協が行われないことを願う。