空手の世界から現場へ 櫻井千田の中村さん

2019年10月10日 12時00分

父親に憧れ重機オペ目指す

 今春、新十津川農高を卒業し、櫻井千田(本社・奈井江)に入社した中村聖矢さんが、既に8種類の重機などの資格を保有し、現場での作業に励んでいる。中村さんは空手で世界3位という成績の持ち主。重機オペレーターになりたいという夢をかなえるため、闘いの舞台を競技場から現場に変え、日々奮闘している。

 「泣き虫だったので親に道場に連れて行かれた」(中村さん)のをきっかけに、小学2年生から空手を始めた。空手の中でもフルコンタクトという、相手に直接打撃する形式に打ち込み、高校3年生のときに出場した世界大会で3位の成績を収めた。

 大学に進学し、空手の道に進むという選択肢もあったが、父親が重機オペレーターで小さな頃からその姿を見ていたことや、在学中に空知教育局が主催した職業体験で櫻井千田のことを知り、自身も重機オペレーターを志した。

 中村さんは入社後、6―8月にかけて静岡県の富士教育訓練センターで数々の資格を取得。高校時代に取得したものを含め、既に車両系建設機械、玉掛け、小型クレーン、低圧電気取り扱い、足場、1㌧未満フォークリフト、アーク溶接、刈払機―の8つの資格を持ち、まもなく大型特殊免許も取得する。

 現在は空知総合局発注の経営体大富第3ほか1地区41工区(美唄市)に配属され、30代半ばの先輩オペレーターの指導を受けながらバックホーに乗り、埋め戻し作業などを行っている。先輩からの指導では日々新しい発見が多く、現場も楽しいという。

 中村さんは「空手をやっていたので、体力とか、重たいものを持つとか、そういったことが役に立っている。空手をやっているときから、あいさつとか礼儀とか、ハキハキものを言うとか、社会に出ても通用するようにと教えられてきた」と話し、現場代理人の加津正生さんも「あいさつもできるし、受け答えもしっかりしている」と太鼓判を押す。

 中村さんは「会社には重機オペレーターが6人いるけど、上を目指して、作業も早くて丁寧により良いものを造る〝すごい腕〟を持つオペレーターを目指したい」と、今後の目標を話す。

 櫻井康貴社長は「やる気や熱意、前向きな気持ちが伝わってくる。中村くんを含め、若い人たちには期待しかない。若い人たちには会社を引っ張っていってもらいたいし、人材育成には1丁目1番地で取り組んでいる。やる気のある人へのフォローもしていきたい」と、若い世代の今後の活躍に期待を寄せている。


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