復興道路用地監理で
宮城県土木部が選ぶ、2019年度優良建設関連業務MVP(モースト・バリュアブル・プロフェッショナル)に、タナカコンサルタント(本社・苫小牧)の角谷信夫補償調査部長が輝いた。東日本大震災の被災地で復興道路の用地監理を担当。「用地補償は縁の下での地道な仕事。それが評価されてうれしい」と話している。
MVP表彰は前年度に完了した建設関連業務の中で、成績が最も優れた管理技術者に贈られる。18年度に角谷氏が管理技術者を務めた牡鹿半島部等復興道路用地監理の業務成績が、補償コンサルタント部門で最高となる92点を獲得。同氏を含む3人がMVPに選ばれ、9日に宮城県庁で表彰式があった。
タナカコンサルタントは、13年度から県が発注する用地関連業務をCM(コンストラクション・マネジメント)方式で受注。田中雄太社長も「約6年間にわたり災害復興に貢献できていることは誇り」と言う。
角谷氏は68歳。1969年に滝川工高を卒業して北海道開発局に入り、用地専門の技術者として11年に定年を迎えた。総合補償士の資格など「能力を生かして働きたい」と同社に再就職。復興業務を担当するようになった14年からは、2週間に一度は宮城県石巻市へ出張している。
経験豊富でも「最初のころは発注者やコンサルタント双方との信頼関係を築くのに苦労をした」というCM方式による復興道路の用地補償は、終盤を迎えている。「期限内に絶対完結させなければ」と気を引き締める。(苫小牧)