ラグビーW杯終わる

2019年11月06日 09時00分

 これまでそばにいてくれた人が今はもういない。心にぽっかりと穴が開いたような―。ガールズロックバンド「プリンセス プリンセス」の『M』(作詞・富田京子、作曲・岸谷香)は、そんな喪失感を情感豊かに歌い上げた名バラードだ。聞いたことのある人も少なくないだろう

 ▼曲はこう始まる。「いつも一緒に/いたかった/となりで/笑ってたかった/季節はまた/変わるのに/心だけ/立ち止まったまま」。こういった大切な何かを失う寂しさを俗に「〇〇ロス」と呼ぶ。それでいくと現在は「ラグビーロス」である。ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会が終わった。日本代表史上初のベスト8進出、そこで日本の前進を阻んだ南アフリカ代表の優勝

 ▼スポーツは筋書きのないドラマといわれるが、こんな劇的で見応えのある大会もそうはあるまい。見事なチームプレーと壮絶なぶつかり合い。もっと見ていたかったし、応援もしていたかった。W杯は終わったのに心は立ち止まったままである。ラグビーがこんなに胸躍る競技だったとは、と認識を新たにした「にわか」ファンも多かったらしい。当方もその一人である

 ▼試合だけではない。キャンプ地の地域住民と各国代表との交流、カナダ選手らの台風被災地でのボランティア活動、地元の熱意で実現した釜石鵜住居復興スタジアムと公式戦。心を動かされた出来事は枚挙にいとまがない。どうやら開いた心の穴には、それを埋めて余りあるくらい素敵な記憶が詰め込まれたようだ。ラグビーと過ごした44日間のなんと幸せだったことか。


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