道産小豆が不足

2019年11月28日 09時00分

 本道を代表する菓子メーカーの一つ、柳月(音更町)の新商品「十勝銘菓 あんバタサン」が大ヒットしている。どの店舗でも入荷してすぐに完売してしまうという

 ▼NHKの連続テレビ小説『なつぞら』に出てきた帯広の菓子店「雪月」が考案した商品と似ていることも人気に拍車をかけたようだ。運良く買えたときに一度食べてみたが、予想を上回るおいしさに驚いた。ドラマにも全く引けを取らない出来である。秘密は道産の食材にあった。少し酸味のある発酵バターと十勝産の小豆を使ったあんを絶妙な配合で混ぜ合わせ、さくさくのサブレで挟んである。これが独特の食感と濃厚な味わいを生んでいるのだ。ちなみに柳月さんから宣伝依頼を受けたわけではない。念のため

 ▼ところが近年、全国的にこの原料ともなる道産小豆が不足しているらしい。全国生産量の9割を占める道産小豆の在庫が、2016年に本道を襲った台風の影響で大幅に減少してしまったためという。当然、取引価格も跳ね上がる。危機感を抱いてのことだろう。全国和菓子協会が26日にオホーツク管内の農家と交流会を開き、作付け拡大を求めたとの話題が北海道新聞に出ていた。同協会は数年前からホクレンなどを通じ、安定供給維持を道内の生産者に訴えている

 ▼ブランド力が高い道産小豆の確保は彼らにとって死活問題。真剣にならざるを得ない。とはいえかつて「赤いダイヤ」といわれ価格が乱高下した時代を知る生産者は、おいそれと作付けを増やす気にもなれまい。こればかりはお菓子と違い、甘くはなさそうだ。


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