斜里町スマート定住推進協議会は、11月29日から町内でアプリを活用した公共交通の利用に関する実証実験に取り組んでいる。ICTを活用することで、高齢者の移動手段確保など交通に関する課題解決につなげたい考えだ。
同協議会はことし5月17日に設立。町や観光協会、農協、漁協などが構成員となっている。国の農山漁村振興交付金を活用し、2021年度までの3カ年を事業期間に、ICTによる生活環境の向上を推進する。
斜里町では、自動車運転免許を返納した高齢者などの交通弱者の移動手段の確保が課題となっている。そこで、テレワークで縁のあるIT企業Prop Tech plus(本社・東京)とAzit(同)が中心となり、町民の移動手段についてデータを収集し今後の対策に活用していく方針だ。
実験で使用するアプリは、モビリティプラットフォーム「CREW」。スマートフォンでダウンロードすると、近くを走っている車を検索でき、マッチングが可能。同乗して目的地に行くことができ、新たな移動手段として期待されている。
乗車した人は、システム使用料、ガソリン代などのほか、任意で謝礼(1万円未満)を支払う。ドライバー約15人、乗客約100人を町民から選出し、20日まで実験を行う。
町の担当者は「どこで乗って、どこで降りたかを実験結果から把握し、今後に役立てていきたい」と話している。
(北海道建設新聞2019年12月03日付9面より)