バックホー運転を多能工化へ 操作支援システムを開発中

2019年12月12日 10時00分

生産性向上やコスト縮減、技能の早期習得に期待

 砂子組(本社・奈井江)と北海道アトリウム(同・奈井江)、北寿産業(同・夕張)で構成する北海道土木技術開発連携会は、2018年度の国土交通省の「多能工化モデル事業」の支援対象事業に選ばれ、バックホーオペレーターの多能工化に向けたマシンガイダンスシステムの開発を進めている。システムを確立することで、技能工不足の解消や技能工の育成、生産性の向上につなげる考えだ。

 バックホーの運転には、車両系や小型車両系といった重量区分や、作業内容によって異なる運転資格が必要となり、同じタイプのバックホーでも専門外の作業を行うことはできない。そのため、作業ごとに専門の運転資格を持つオペレーターが作業し、別のオペレーターは作業までの待ち時間が生じるなど時間のロスがあったり、オペレーターの手配や工事原価の高騰などだったり、さまざまな課題が浮上している。

 こうした問題を解決するため、連携会ではマシンガイダンスシステムを独自開発。同システムは、GPSなどの計測技術を用いて建機の位置情報や施工情報、現場状況、計測値との差異を車載モニターを通じてオペレーターに提供し、操作をサポートするもの。こうしたシステムを搭載した最新のICTは非常に高価なため、連携会では中小建設企業が保有している古いバックホーにも後付けできるシステムが必要と考え、安価なガイダンスシステムを開発している。

 ガイダンスシステムにはバックホーのアームの挙動や車体の位置、車体の傾き、旋回角度を正確に測定する機能が必要で、18年度はこれらの機能のベースとなる変位計とGPSが連動するソフトの開発や傾斜計、変位計、加速度計での各種測定試験、測量データ処理ソフトの開発を進めた。

 19年度は実証実験を行っており、10月末には熟練オペレーターと土工経験の少ないオペレーターによる作業を、既製品のマシンコントロールとマシンガイダンスを使用した状態、ガイダンスなどのサポートなしの状態でそれぞれ行ってビデオ撮影と新技術によりアームの軌道を記録し、作業の進捗(しんちょく)を比較した。

 連携会では実験のデータを検証し、より的確なガイダンス方法の検討などを引き続き進め、来年度以降も実証実験を続けていく考えだ。

 ガイダンスシステムが完成すると、例えば土工作業であるバックホーのオペレーターが解体作業に必要な資格を取得した上で、マシンガイダンスのサポートを受けて、土工作業と不慣れな解体作業をそのまま連続して、安全で確実に行えるようになり、こうした連続作業ができることで、現場での生産性向上やコスト縮減、技能の早期習得が進むことが期待されている。

 連携会では今後は運転者目線での改良を重ねて作業手順の分かりやすい表示方法などを検討し、最終的に1人のオペレーターが3工種の作業を行うことが目標。さらに、システムをバックホーだけでなく、ブルドーザなど他の建機にも応用することを計画している。

(北海道建設新聞2019年12月11日付1面より)


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