道と北大リサーチ&ビジネスパーク推進協議会は12日、札幌ガーデンパレスで北海道宇宙ビジネスセミナーを開いた。大樹町でロケット事業を展開するインターステラテクノロジズの稲川貴大社長や酒森正人大樹町長ら5人がパネリストとして、大樹町で検討されている新たなロケット射場が生み出す可能性を討論した。
宇宙産業への新たな参入に向けて、機運醸成を図るのが目的。関係企業や金融機関、大学関係者ら153人が参加した。
パネルディスカッションでは、ロケットの射場を整備することで生まれる経済活動について討論。スペースポートジャパンの新谷美保子理事は「国内だけでなく、アジア圏のラグジュアリー層が来るようになる」とし、周囲に高級ホテルや研究機関などが展開していく可能性があると指摘した。
酒森町長は「これまで研究関係で20人以上が町民になっている」と人口減少対策にも寄与していると話した。また、ホテル不足などを課題に挙げ、インフラ整備を民間の力を活用して進めていく考えを示した。
稲川社長は「大樹町のホテルはもうかっているが、人手が足りないと言っている。これはビジネスチャンス」と、さらに盛り上げていくべきと提案。「道内企業に部品の加工をお願いできるようになり、地元に還元できる体制になってきた」と話した。
(北海道建設新聞2019年12月13日付4面より)