箸墓古墳をミューオンで調査

2020年01月14日 09時00分

 昔の特撮テレビドラマの主題歌で「どこの誰だか知らないけれど 誰もがみんな知っている」(『月光仮面は誰でしょう』川内康範作詞、小川寛興作曲)と歌われたヒーローがいたが、この女性もその歌詞にぴったりでないか

 ▼2世紀後半から3世紀前半にかけて倭国(日本)の一大勢力「邪馬台国」を統治した女王卑弥呼である。誰もが知る名前なのに、どこに国があったのか、どんな人物だったのか、謎のままだ。日本が国としてまとまっていく出だしの重要な歴史事象だけに、興味を持っている人も多いだろう。ところが卑弥呼の存在は中国の史書「魏志倭人伝」に語られているのみで、日本国内では証拠などがほとんど見つかっていない

 ▼この謎の一端が最新の技術によって、遠からず明らかになるかもしれない。奈良県立橿原考古学研究所が現在、卑弥呼の墓との説もある同県桜井市の箸墓古墳の内部調査を進めているのである。発掘をするのでなく、素粒子「ミューオン」を使って中を透視するそうだ。ミュオグラフィという技術で、火山くらい巨大な物体でもレントゲンのように内部を画像化できる。宇宙線が大気と衝突して透過力の強いミューオンが生じる現象を利用したものだ。クフ王のピラミッドで未知の空間を発見した実績もある

 ▼箸墓古墳は皇族の墓だとして宮内庁は原則発掘を認めていない。古代の扉はすぐそこにあるのに開くことができなかったのである。もし卑弥呼の墓と分かれば古代史は大きく書き換えられる。どこの誰が眠っているのか、証拠となるしるしが見つかるといい。


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