偏西風の蛇行

2020年01月16日 09時00分

 日本酒が好きで、品ぞろえが豊富な地酒店によく通っている。先日立ち寄ったとき、店頭にお気に入りの銘柄「大信州 番外品」(大信州酒造、長野県)が並んでいた
 
 ▼見ると何か紙片がぶら下がっている。そこにはこう書かれていた。「がんばろう長野 この商品の売上の一部を『令和元年台風19号』の災害義援金として長野県へ寄付させて頂きます」。そうだ、長野県も千曲川の氾濫で甚大な被害が出たのだった。長野に限らず被災地では復興が緒に就いたばかり。災害ごみなどはいまだ処理にめどが付いていない状況らしい。そんなこともあって助け合いの輪が広がっているのだろう。やはり地球温暖化が影響しているのだろうか。それだけ昨年の台風は普通でなかった

 ▼その異常の原因の一つとして指摘されているのが偏西風の日本付近での北側への蛇行である。偏西風のゆがみは地球規模の現象で発生メカニズムは複雑だが、昨年の日本では結果として台風が東北地方に入り込みやすい条件が整えられた。どうやら今の暖冬や少雪も偏西風のいたずらのようだ。北側への蛇行が続いているのである。気象庁などによると、高緯度にある偏西風が大陸からの寒波を押しとどめているのだとか。太平洋中西部の海水温の高さがそれに拍車をかけている

 ▼暮らすには楽でいいとはいえ、雪を資源にする観光やレジャー産業にはある種の災害のようなものだろう。除雪業者も維持費を捻出できないかもしれない。「百獣の雄叫び分だけ寒波来る」長内博。今季、偏西風を押し戻すそんな寒波は訪れるのだろうか。


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