国会で台湾の名を呼ぶ

2020年01月22日 07時00分

 池田町出身の吉田美和さんがボーカルを担当する音楽ユニット「DREAMS COME TRUE」の楽曲の一つに、吉田さんが作詞した『何度でも』(作曲・中村正人、吉田美和)がある

 ▼いつ聞いても励まされる歌だが、特に落ち込んでいるときなどはふつふつと元気が湧いてくる。中でも胸に響くサビの部分はこんな歌詞だ。「何度でも何度でも何度でも 立ち上がり呼ぶよ きみの名前 声が涸れるまで」。名前を呼ぶというのは、「きみ」を大切に思っているとのメッセージだろう。20日開会した通常国会でもそんな名前を呼ぶ光景が見られた。安倍首相が施政方針演説で「台湾」に触れたのである

 ▼復興五輪の文脈でホストタウンを紹介する際、「岩手県野田村は台湾」と数あるホストの中からあえて台湾を取り上げた。演説で外交関係のない台湾に言及するのは極めて異例なこと。東日本大震災時の多額の義援金への感謝と、先日の総統選で民主派の蔡英文氏が再選したことへのエールに違いない。首相が「台湾」と言った瞬間、議場は歓声と大きな拍手に包まれた。立場は違えどお互い助け合い、中国と対峙しながら民主主義を堅持する者同士。思わず友好の情があふれたのでないか

 ▼蔡総統もその夜にツイッターで、「日本の国会で大きな拍手を浴びたのは実に嬉しい」「頑張ろう!東京オリパラ!」と発信していた。エールの交換だ。中国の「一国二制度」の正体は香港で白日の下にさらされた。大きな力によって消されることのないよう、日本は何度でも「台湾」の名を呼ぶ必要がある。


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