オフィス備えた複合ビルで投資額250億円 22年着工し24年に開業
世界規模で保険・資産運用を手掛けるフランスのアクサグループが、札幌市の中島公園駅周辺地区にあるヤマハセンター跡地を取得し、高級ホテルやオフィス機能を備えた複合ビルを新築することが22日、分かった。投資額は250億円規模を見込み、早ければ2022年に着工、24年の開業を目指している。周辺では札幌パークホテルの建て替えに併せた大規模MICE施設の計画が進む。富裕層をターゲットとしたハイグレード施設の誘致に弾みがつきそうだ。
アクサグループを主体とする特定目的会社が、札幌市中央区南10条西1丁目40にある敷地約6700m²を取得する。土地を所有するヤマハ(本社・浜松)と既に売買契約を結んでおり、近く所有権が移転するもようだ。不動産の管理運用は、日本にも拠点を持つグループ企業のアクサ・インベストメント・マネージャーズが担当する見通し。
ヤマハセンターは、入居していたヤマハミュージック札幌店が15年に移転したのを最後に全館閉館。ヤマハは16年に施設を解体して更地にし、売却先を探していた。
アクサグループは本道の観光地としての人気に着目し、空港や北海道新幹線をはじめとする交通ネットワークの拡大でインバウンド客がさらに増えると判断。需要増に比べると札幌にはハイクラスのホテル、オフィスの供給が足りないとして、新たな施設開発に乗り出す。施設の詳細は明らかにしていないが、同グループの担当者は「工期は2年を見込んでいる。最速の場合、24年末に開業できるだろう」と話している。
中島公園エリアでは、札幌市が計画するMICE施設周辺で不動産売買が目立っている。大和ハウス工業は南9条西5丁目で土地を購入し、新ブランドのホテルを建設する。積水ハウスは約3000m²の旧キリンビール園跡地を取得済み。市は民間開発の誘導を狙って同エリア一体で規制緩和を推し進めており、今後もホテルをはじめとする民間投資が期待される。
(北海道建設新聞2020年1月23日付1面より)