この時期恒例の春闘が始まっている。先週、日本経済団体連合会(経団連)と日本労働組合総連合会(連合)が会談し、それぞれことしの方針を発表したそうだ
▼この中で経団連は新卒一括採用や終身雇用といった日本型雇用システムが「時代に合わなくなった」とし、見直しを表明。ドライな実力第一主義の姿勢を鮮明に打ち出した。これに対し連合は日本的雇用の良い部分が失われかねないと懸念を示したという。さて実際のところ現場はどう見ているのか。少し視点を変え、明治安田生命が先日公表した「理想の上司」「理想の新入社員」アンケート調査結果から探ってみたい
▼まず上司から。1位は男性がお笑い芸人の内村光良さん、女性がアナウンサーの水ト麻美さん。選ばれた主要な理由は内村さんが「親しみやすい」「知性的・スマート」「頼もしい」、水トさんが「親しみやすい」「おもしろい」「明るい」だった。実力や指導力で選んだ人は少ない。どうも上司に求めるのはそれではないようだ。一方、新入社員はどうか。1位は男性が大リーガーの大谷翔平選手、女性がプロゴルファーの渋野日向子選手だった。理由は大谷選手が「実力がある」48.6%、渋野選手が「明るい」42.3%で断トツ。図らずも男女差が出た形だ
▼皆さんの職場も異動や新規採用で新年度の体制が固まってきたころだろう。経団連のいうように、実力第一主義への改革を目指す組織も多いのでないか。ただそれだけでは人間関係がうまくいかないかもしれない。あなたの職場に「親しみやすい」上司はいますか。