市が見解示す
国道5号創成川通(都心アクセス道路)の構造4案を検証していた札幌市は、整備効果や市民の反応を踏まえ全線地下トンネル案を「最も評価できる」との見解を示した。19日の市議会総合交通政策調査特別委員会に報告。沿道への影響、高速化や渋滞緩和などの整備効果が最も高く、オープンハウスでの市民意見も4案の中で最も肯定的な意見が多かったとした。
北海道開発局は、札樽道札幌北IC[MAP↗]から札幌都心部[MAP↗]までの約4㌔を都心アクセス道路として機能強化する計画。計画段階評価を進めていて、北海道地方小委員会の審議を経てルートや構造などの対応方針を決める予定だ。
昨年10月の小委員会で沿道への影響を整理。高架を含む2案は景観などへの影響が懸念される。一方、全線地下トンネルと右折レーン設置などの現道活用の2案は、騒音や景観への影響が少なく、重要施設の用地支障を回避できるとした。
市は独自に地下や高架と現道活用の整備効果を検証。創成川通の混雑に関しては、地下や高架による整備で平均速度が1時間当たり27㌔と大きく向上し、現道活用を上回ると試算した。
並行路線の交通量分担率、二酸化炭素の排出量も地下や高架整備の方が効果が高いと説明。交通事故は右折レーンの設置により減少するほか、地下や高架整備では地上部の通行が減り、さらなる効果が期待されるとした。
こうした沿道の影響や整備効果を踏まえ、市は全線地下トンネルが「最も評価が高い」(まちづくり政策局の坪田靖総合交通計画部長)と位置付けた。
(北海道建設新聞2020年2月20日付12面より)
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