道内で新型コロナウイルスによる肺炎が急速に拡大していることを受けて、道や札幌市などが対策を強化している。建設工事や業務について、道建設部は25日、拡大防止に向けた文書を各建管と受注者に発出した。受注者に対しては、関係者に感染が確認された場合は速やかに発注者に報告し、必要な措置を取るよう求めた。札幌市や北海道開発局も対応策を検討している。行政が主催、参加する会合や行事も中止、延期の決定が相次いでいる。(関連記事2、4、14面に)
道建設部は、契約履行中の工事・業務の受注者に対し、現場などの関係者に風邪の症状が見られるときは作業を休ませ、外出を控えるなどの取り組み徹底を要請。新型コロナウイルスの感染が確認された場合は、速やかな報告と作業現場を消毒するなどの対応を求めた。今後の契約締結者に同様の文書を渡す。
建管にも感染が確認された受注者から工期延期などについて協議があった場合、迅速な連絡を指示。同部の担当者は、感染者が発生した場合は状況に応じて工事・業務の一時中止を含めて判断する考えを示した。
札幌市都市局も現場で感染が確認された場合、受注者と協議の上で感染者の行動や濃厚接触の有無を確認し、対応を判断する方針。冬場の工事は屋内の内装仕上げや設備設置など閉鎖した空間での作業が中心になる。
担当者の一人は「感染がさらに広がるなどした場合は、工事の一時中断や工期延期を考える可能性もある」と言う。
北海道開発局でも、ウイルス対策措置に応じて施工期間の適正化を図るとみられる。
一方、業界側の動きとして、北海道建設業協会は25日、感染拡大防止をさらに徹底するため、各地方建協に対してテレワークや時差出勤を推奨したほか、イベント開催の必要性をあらためて検討するよう通知した。
政府は25日、国内での新型コロナウイルスの流行をにらみ、感染拡大防止策と医療提供体制の整備を柱とする総合的な基本方針を取りまとめた。
安倍晋三首相は「感染症の専門家にも参画してもらい、対策チームを編成し、患者クラスター(集団)が発生している自治体をしっかり支援する」と強調。その第1弾として、同日中に北海道への派遣を決めた。
道も同日、北海道感染症危機対策本部に新型コロナウイルス感染症対策チームを設置。保健福祉部長をトップに約40人で構成し、検査体制の整備、外来の拡充、疫学調査、感染拡大防止に関する対応を促進する。
鈴木直道知事は、感染者の急増を受け「必要な対策として、やれることは全てやるという考えで対策を打たなければならない」と強調。感染のピークを抑制し、一日も早く道民が通常の暮らしを取り戻すために努めるよう指示した。
(北海道建設新聞2020年2月26日付1面より)
新型コロナウイルスの感染拡大に関連して、北海道建設新聞2020年2月26日付1面では、6つの総合局・振興局管内での、優秀技術者等感謝状贈呈式の中止を報じています。
このほか、関連記事として同日付2面にはアジアでの株価への影響、4面には現場作業員への感染を想定した連絡・報告の要請についての記事を掲載。また、14面では上川総合局が開催する、感染拡大の影響を受ける中小企業向けの融資や雇用の保障制度に関する説明・相談会の案内記事を掲載しています。
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