釧路・根室管内では、10日から11日にかけての豪雨で河川増水や冠水による道路の通行止めなどが各地で多発した。中でも国道274号標茶町オソツベツでは向チョウマナイ川が増水し盛り土が洗掘される被害が発生。復旧時期は未定となっている。
釧根管内は5―6日、豪雪に見舞われ、積雪や視界不良により多くの国道、道道で通行止めが発生したばかり。今回の豪雨では、降った雨量のほかに融雪による出水も加わり河川の流量が急増。排水口が雪でふさがれているなど道路冠水も起きやすい状況にあった。
釧路開建が所管する国道は最大で8路線、9区間が通行止めとなった。11日午後3時現在、274号標茶町ヌマオロ原野[MAP↗]―標茶町開運[MAP↗]間18㌔と44号厚岸町尾幌―白浜間19・5㌔が通行止め。
このうち44号は冠水によるものだが、274号では向チョウマナイ川をまたぐボックスカルバート東側の盛り土が洗掘され道路が陥没した。同時刻現在も流量が多くて危険なため、同開建は落ち着くのを待って詳細を調査し復旧について検討する方針だが、復旧時期は未定だ。
釧路建管は最大14路線、15区間を通行止めとしたが道路冠水がほとんどで、11日午後3時現在で道路や河川への大きな被害報告は受けてない。
釧路川と支流の増水により氾濫が懸念された標茶町は、11日午前5時ごろ旭、富士、桜、平和、麻生の5地区、1165世帯2349人を対象に避難指示を発令。ふれあい交流センターなど避難所を4カ所開設したが、その後の水位低下で同日午前中には全てを閉鎖している。
一方、オホーツク管内でも国道、道道で通行止めが複数発生。このうち網走建管が所管する網走川湯線では、雪崩の恐れがあるとして10日から藻琴峠を含む15・1㌔を通行止めとしていたが、その後、大空町山園付近で路面がひび割れ、砂が露出している箇所を確認した。
通行止め区間を3・8㌔に延伸し、早期復旧を目指し現地調査に当たっているが、こちらもまだ復旧の見通しは立っていない。
(北海道建設新聞2020年3月12日付4面より)