資材納入遅れ指摘 道建協の新型コロナ対策・影響調査結果

2020年03月13日 08時00分

 北海道建設業協会(岩田圭剛会長)は、会員企業を対象にした新型コロナウイルスの感染防止対策に関する第1回アンケート結果をまとめた。各社が講じている感染拡大防止策では、有給休暇取得の奨励や会議などの延期、マスク等の配布が多数を占めた。工事への影響に関しては建築資材納入の遅れ、マスクやアルコール消毒液の不足などが指摘された。工事現場の一時中止については大多数が「なし」としたが、1社のみ「ある」と回答した。(関連記事3、4、10、12面に)

 道建協では、会員企業が取り組んでいる対策や工事に与える影響について発注者との情報共有を図るため、全道の会員680社を対象にアンケートした。継続的に調査結果を確認するため同一の質問項目で3月中に4回実施する予定で、期限をそれぞれ9日、16日、23日、30日としている。

 1回目の調査期間は5日から9日まで。200社から回答が寄せられ、回答率は29.4%だった。

 感染防止対策を複数回答で聞いたところ、有給休暇取得の奨励や会議などの延期、マスク等の配布が上位を占めた。自宅待機については、学校の休校によって子どもの面倒を見なくてはならなくなった共働き世帯を対象にしたり、職員だけでなく作業員や運転手、下請け企業に対しても給料を補償した上で行うケースがあった。

 施工中の工事への影響は「ない」と答えたのが188件で9割を占めるが、「少し出ている」が11件、「深刻に出ている」が1件あった。具体的には資材納入の遅れ、マスクやアルコール消毒液の不足のほか、風邪をひいた民間住宅設計担当者を休ませているため設計業務に滞りが出ているケースがあった。

 資機材企業や専門工事業者が被る資機材納期への影響に関しても、中国からの部品供給の遅れなどを理由に、建築資材の納入遅延に関する指摘が多く、今後、トイレやユニットバス、仮設用資材などが遅れる可能性が報告された。このほかには、営業自粛による訪問回数や打ち合わせ機会の減少などが挙がった。

 影響がある場合に発注者に求める対応(複数回答)には、設計変更での柔軟な対応が8割、書類提出期限や契約の延期が6割強、完了検査の延期は5割を占めた。

 自由意見の項目では研修会などの中止で想定していたCPD・CPDS取得が困難となったことを受けて入札条件の緩和を要望するものや、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)による現場検査など遠隔地における現場管理効率化を議論するよう求める意見があった。マスクやアルコール消毒液に関しては、「次年度以降、現場事務所に常備したいが品物不足で実現が難しい」との声も聞かれた。

(北海道建設新聞2020年3月12日付1面より)

 新型コロナウイルスの感染拡大に関連して、北海道建設新聞2020年3月12日付3面では、地域金融機関による中小・零細企業への支援の動き、同日付4面では、菅官房長官と自公幹部の会談についての記事を掲載しています。

 また、同日付10面では稚内市の庁舎建設検討委員会の延期、同日付12面では札幌市内のイベントや会議の延期・中止状況について報じています。

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