花粉症

2020年05月02日 09時00分

 本道はおとといから急に暖かくなった。その日の朝も出勤するため前の日と同じ厚手のコートを羽織って家を出たが、しばらく歩くと暑くて着ていられない。イソップ寓話(ぐうわ)「北風と太陽」に登場する男になった気分である。季節の変化はいつも突然だ

 ▼とはいえ一年を通してみれば、移り変わりは案外規則正しい。暖かさとともにもう一つ、この時期特有の現象が始まっているようである。ハックション!。「弁慶に泣き所あり花粉症」小島左京。そう、花粉の季節である。弁慶が花粉症だったとは思えないが、もしそうだったら自慢のなぎなたも手元が狂って仕方がなかったろう。くしゃみ、鼻水、涙目に加え頭も重いのでは何をするにも不自由だ。当方もお仲間だからよく分かる

 ▼飛散状況を毎日観測している道立衛生研究所によると、4月26日頃からシラカバ花粉の量が右肩上がりになっているそうだ。気温が高いと飛散量も増える。札幌で最高気温が20度に達した30日はかなり飛んだに違いない。「樺の花高きにありてみな眩し」深谷雄大。高い所から垂れ下がり風に揺れている白樺の花は普通の人には輝いて見えるのかもしれない。ところが花粉症に悩む者の目には、危険な化学物質が頭上から狙っているようにしか見えないのである

 ▼ことしの飛散量は平年に比べやや多い程度という。ただ、少なかった昨年と比べると約3倍になるそうだ。新型コロナウイルスも心配だが、重い症状を持つ人にとってはこちらの方がよっぽど現実的脅威だろう。花粉症との戦いもここ1カ月が勝負である。


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