子ども遊べる環境、価格も魅力
千歳市が販売する泉沢向陽台住宅地の分譲が好調だ。3月31日時点の分譲率は、広々とした敷地の福住住宅地[MAP↗]が97.7%、価格が比較的安価な文京ニュータウン[MAP↗]が91.8%と高い数字を誇り、住民の数も市内人口の1割を占めるまでになった。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う住宅需要の低迷も懸念される中、引き続きPR活動などを展開し、分譲率100%を目指す。
JR千歳駅や新千歳空港から約10㌔の距離にある泉沢向陽台住宅地。福住1―4丁目の28・6haに広がる福住住宅地341区画と、文京3―6丁目の32・8haに広がる文京ニュータウン720区画で構成する。福住住宅地は1990年度、文京ニュータウンは97年度に分譲を開始した。
分譲中の敷地面積と価格を見ると、福住住宅地8区画は317―762m²で、7区画が475万円、特別分譲地1区画が1532万円。文京ニュータウン57区画は264―413m²に対して価格は396万―619万円。また、文京ニュータウンにある商業用地2区画は323m²、560万円となっている。
19年度は福住住宅地で2区画、文京ニュータウンで15区画を分譲した。文京ニュータウンは18年度に14区画を契約したため、2年連続で2桁を記録。市産業振興部産業支援室開発振興課の木滑一博課長は「住宅展示場や道外で開かれる移住相談会でのPRが実を結んでいる」と分析する。
また、契約者の7割が20―40代の夫婦で、その要因としては公園が多く子どもが遊べる環境が整っていること、購入しやすい価格帯であることを挙げる。
商業用地も共同住宅や集会場、観光用タクシー事務所など緩やかに埋まっていて「販売用地外だが、コメリハード&グリーン千歳向陽台店[MAP↗]もできた。住宅が増えれば商業の出店も増え、地域の魅力が高まる。この両輪で進めたい」と意欲を示す。
暮らしやすい環境が整うにつれ人口も増え、4月1日時点の住宅地における人口は約9300人と市内全体の1割弱に。2016―19年度の契約状況を細かく見ると、市内に住む人が移転したものが28件、道内他自治体からの移住が18件、道外からが10件となっており、新千歳空港があることや札幌市に近いという地の利が後押ししている。
市では、PR活動や見学ツアー開催、希望者への説明など細かく対応しているが、新型コロナウイルス感染症によって生活スタイルが変化し、住宅需要に影響が出てくることも懸念。木滑課長は「現在、住宅メーカーへの訪問などは難しい。PR方法を考えながら着実に1件ずつ売っていきたい」と話している。
(北海道建設新聞2020年5月12日付12面より)