入社3年で3分の1が離職
空知建設業協会(砂子邦弘会長)は、会員企業を対象に2017―20年度に入社した新卒者の採用や離職の動向調査をまとめた。入社3年で約3分の1が離職している状況を踏まえ、学校キャラバンや学校訪問などを通じ、一層多くの生徒らに建設業の魅力ややりがいを知ってもらい、業界への入職促進につなげたい考えだ。
担い手確保を図るため、18年度に続く2回目の調査。新卒採用や離職状況の実態を把握するため、正会員企業70社を対象に結果をまとめた。
新規採用は17、19、20年度に各21社、18年度に19社が行い、合計233人(男性208人、女性25人)が入った。一方、17年度採用の65人のうち22人が退職するなど、入社3年目で約3分の1が会社を後にしている。
建設分野を学ぶ専門の高校が少ない中、普通高校からの新卒入社も増えており、自分が思い描いていた仕事内容と現実のギャップが大きく、他業種へ転職するケースも多いという。
担い手確保に向けては、19年度に続き20年度も岩見沢農高とICT技術学習連携授業を実施。北海道開発局と連携し建設業の魅力を発信する「学校キャラバン」を美唄尚栄高や岩見沢農高で実施するほか、空知管内3校にも開催を呼び掛けている。単独でも業界をよく知ってもらうため、新卒採用が苦戦する北空知地区の高校を中心に訪問し、PR活動をする考えだ。
大崎里志事務局長は「会員企業の希望もあり、新入社員の指導者側の研修も検討。17―20年度の新規採用者のうち女性技術者が11人と少ない状況も踏まえ、入職を促す取り組みも考えていけたら」と話している。
(北海道建設新聞2020年5月29日16面から)