五洋建設が所有 洋上風力発電建設での活躍期待
五洋建設(本社・東京)が所有するSEP型多目的起重機船CP―8001の関係者向け船内見学会が6月30日、室蘭港崎守ふ頭で開かれた。定格総荷重800㌧の大型クレーンを搭載した国内初の起重機船で、世界最新鋭の連続式油圧ジャッキシステムを採用。これからの日本沿岸での洋上風力発電建設に寄与することが期待される各設備を紹介した。
つり全旋回式起重機船にSEP(Self―Elevating―Platform)機能を付与した船体。オランダのGustoMSC社が基本設計、ジャパンマリンユナイテッド(本社・横浜)が建造し、2018年12月に完成した。建造費は約140億円。
船体寸法は長さ73m、全幅40m、深さ6・5m。デッキ面積は1750㎡。船に備えた全長66・7m×4本のレグが持つジャッキ能力で船体を安定させ波の影響を受けなくすることで、風力発電の風車設置などの作業を実現する。最大30mの水深での作業が可能となっており、10㍗級の風車建造にも対応する。
今回は、桧山エリアでの調査工事実施に当たり、物資の積み込みなどのため室蘭港に入港。船内見学会では、800㌧の大型クレーンを前に、担当者が「デッキからブームトップまでは、五稜郭タワーほどの高さがある」などとスケールの大きさを強調した。
(北海道建設新聞2020年7月2日付11面)