あの印象的な作品群はどんな発想から生み出されたのだろう―。釧路市生まれの建築家・毛綱毅曠の没後20年を前に写真や図面、イメージ画などで作品の魅力や背景にある哲学を伝える企画展が、道立釧路芸術館で開かれている。
同館での企画展開催は、毛綱氏が亡くなった直後の2001年秋以来。今回は宇宙、建築、人間の3ゾーンに分けて計56点の資料を展示している。
宇宙ゾーンで山水画風の背景に近代的な建築物や機械を配置した「建築古事記」と題する一連のイメージ画を、建築ゾーンで反住器、釧路市立博物館など釧路管内にある建築物を写真や概念図などで紹介し、人間ゾーンでは実際に毛綱建築を利用した人々の声をスライドにして映写。マクロからミクロへという視点で、氏の建築に対する考え方を感じ取れる構成となっている。
同館の藤原乃里子主任学芸員は「作品の魅力に触れ、近隣にある文化的資産の価値を見詰め直してほしい」と話す。
企画展は10月11日までで観覧料は一般900円、高校生と大学生は400円。月曜は休館だが祝日は開館する。
8月1、15日は午後2時から学芸員が作品解説するギャラリーツアーを予定。観覧料のみで参加でき、事前申し込みの必要もない。日程は未定ながら9月以降も開催する方針だ。(釧路)
(北海道建設新聞2020年7月29日付13面より)