世界自然遺産に登録されている知床国立公園の斜里町側玄関口、ウトロに松浦武四郎翁顕彰碑がある。武四郎は幕末から明治にかけて活躍した探検家で、「北海道」の呼び名を考えた人だ。2018年に実施された北海道命名150年事業で知った人も多いのでないか
▼当時は千島列島への中継地にもなっていたからだろう、知床は武四郎にとってゆかりの深い場所だった。生涯に3度訪れ「知床日誌」を残している。顕彰碑は没後100年に当たる1988年に有志が建立したという。これによって観光客は、武四郎の功績や知床の歴史の一端に触れることができる。土地にふさわしいモニュメントとはそのようなものだと思っていたのだが
▼お隣の国は必ずしもそうではないらしい。韓国平昌郡の五台山国立公園入り口にある「韓国自生植物園」に、慰安婦少女の前で安倍首相が土下座をする銅像が設置されたという。「永遠の贖罪」との題が付けられている。韓国の山には侮辱の花でも咲いているのだろうか。朝鮮日報Web版によると今はあやふやにしているものの、植物園の園長は当初、謝罪する男性は安倍首相だと明言していた。今の韓国で効果的に集客するには植物より反日というわけだ
▼私立だから問題ないとの声もあるが、違うのでないか。もし知床に韓国嫌いの社長がいたとしても、国立公園の入り口にわざわざ文在寅大統領をやゆする銅像を建てたりしない。韓国内に、日本に対しては国際儀礼を無視してよいとの空気があるのだろう。自分の顔に泥を塗るようなものだ。やめた方がいい。