参加者の「心」を集めて
北海道建青会は10日、第35回全道会員大会を苫小牧市内で開く。テーマは「THE CONSTRUCTION’S HEART♡未来へつなげDOBOKUの心をあつめて」。地域で活躍する建設業の経験や知恵を結集し、建設業と地域の今後を考える。小金澤昇平会長に話を聞いた。(苫小牧支社・塩原 歩記者)
―今大会の概要を。
新型コロナウイルス感染症に伴い、当初の計画を一部見直した。当日は基調講演とパネルディスカッションの2本立てで、〝人材育成〟や〝ウィズコロナを踏まえた建設業の未来〟などをキーワードに議論を展開していく。参加者全員のこれまでの経験や知恵、地域への愛情を集め、温かく、未来につながるような大会にできればと考えている。
―大会テーマに込めた思いは。
地域と密着した産業を担うわれわれが、地域建設業、建設産業をより一層発展させ、さらに、地域社会を輝ける未来へつなげるためのヒントやキーワード、それぞれの役割やなすべきことに「気づき」、そして多くの仲間と思いを共有し、「つながる」ことができればと思い今回のテーマを決めた。
―基調講演は元日本ハムファイターズヘッドコーチの阿井英二郎氏を招く。
阿井氏は現役引退後、高校教諭となり、その後、高校の野球部の監督も務めた。高校の監督時代には多くのプロ野球選手を輩出し、その後、日ハムの1軍ヘッドコーチに就任した。コーチ時代は若手から中堅と呼ばれる世代の選手が自己成長するための土壌づくりに力を入れていたので、講演では若手や中堅の人材育成やチーム力についていろいろな話を聞きたいと思っている。
―パネルディスカッションの狙いを。
パネルディスカッションでは、元国土交通省北海道局長・元北海道開発局長の和泉晶裕氏、阿井氏、苫小牧高専准教授の松尾優子氏、私の4人で、建設業の現状と課題について議論する予定だ。建設業だけの話ではないが、世界各地で新型コロナウイルスが猛威を振るう中、私たちの生活、業界はどう変わったのか、どのように変わっていくべきか、こうした変化の激しい時代に、生き残る産業、選ばれる産業になっていくにはどうしたら良いのか、日頃の取り組みから得た経験や知恵を集め、参加者全員で考えたい。
―胆振・日高地域の建設業界の課題は。
胆振・日高地域では、2016年8月に豪雨災害、18年9月6日には厚真、安平、むかわの3町を中心に最大震度7を観測した北海道胆振東部地震が発生した。地震の被災地では今なお災害復旧工事が進められており、他地域から多くの支援を受け感謝している。
しかし一方で、胆振・日高地域でも担い手不足や働き方改革などが課題で、解決に向け、各社が工夫を重ねながら高校生などを対象としたインターンシップを実施し、建設業の魅力を伝えながら、週休2日の取り組みなども進めているところだ。
―新型コロナウイルスに万全を期した全道大会になる。
来賓を含め多くの人が集まるが、参加者が不安のない1日を過ごせるよう、新型コロナウイルス感染症対策として、サーモグラフィーによる検温チェックや体調チェックリストの記入、フェースシールドの配布、消毒液の設置などを進める。参加者にはマスク着用で出席してもらうことにしている。こうした時代だからこそ、若者らしい感覚と知恵、そして心を集めて建設業の未来につなげていきたい。
小金澤昇平(こがねざわ・しょうへい)1973年11月10日生まれ、鵡川町(現むかわ町)出身、苫小牧高専卒業。97年に小金澤組(苫小牧)に入社し、09年に社長に就任。ことし4月に室蘭経営研究会会長に就き、20年北海道建青会会長。
(北海道建設新聞2020年9月7日付1面より)