道中小企業総合支援センターが調査
北海道中小企業総合支援センターが発表した道内中小の業況調査結果によると、建設業は2020年度業績見通しについて51.5%が減収、47%が営業減益になると回答した。新型コロナウイルスの影響が比較的少ない業種とされるものの、事態の長期化で向かい風が強まっているようだ。
調査は7月8―22日に実施。同センターの会員企業や支援制度利用企業のうち1151社に依頼し、40.6%に当たる467社が回答した。うち建設業は167社中の69社が答えた。
建設業の売り上げ見通しは前年度比増加が2.9%、やや増加が20.6%だったのに対し、減少14.7%、やや減少36.8%と悲観的な見方が半数を超えた。全業種では減少36.1%、やや減少32.2%だった。
営業利益予想は建設業で増加1.5%、やや増加16.2%に対して減少13.2%、やや減少33・8だった。オホーツク地域の業者からは「利益確保のためにコスト削減が重要になっている」との声が聞かれた。ただ、減少とやや減少を合わせた割合は全業種に比べ18.6ポイント低かった。
業況感の見通しに関して建設業は好転がゼロ、やや好転16.2%、悪化4.4%、やや悪化44.1%。残りの35.3%は変わらないとした。
また、今抱えている人材面の課題を尋ねると、技術者の不足を挙げた回答は建設業の66.7%と高い割合。若手の不足、従業員の高齢化も各57.6%と目立った。
調査では新型コロナウイルスの影響についても質問。直面している問題を複数回答で聞くと、建設業は売り上げ減が49.1%と最多で、労働力不足が22.8%で続いた。全業種のトップは売り上げ減の79%で、2位は22.1%の資金繰り悪化だった。建設業で資金繰り悪化を挙げたのは12.3%だった。
コロナによる売り上げの増減を尋ねたところ、建設業では影響がないとの回答が37.7%で最も多く、業種別でも最も高率だった。影響があった中では、20%減とした社が20.3%、30%減が17.4%あった。
コロナの影響がいつまで続くかの問いに対しては、建設業は1年が最多で35.3%、2年以上が22%、不明が16.2%だった。全業種でも1年が27.4%でトップだったが、不明が15.3%で続き、1年半、2年、2年以上がいずれも14%で並んでいる。
労務管理上実施したコロナ対策として、マスクや消毒液など備品の配布、設置を挙げた建設業は98.6%。出張などの中止や延期が50.7%、事務所内の定期消毒も47.8%で高い。今後検討している対策にはテレワークの導入、会議などのオンライン化がそれぞれ33.3%だった。
(北海道建設新聞2020年10月23日付2面より)