CLT全面活用 白雲岳避難小屋が完成

2020年10月29日 15時00分

厳しい環境下で平井建設工業が施工

 大雪山国立公園内にある白雲岳避難小屋の建て替えが、このほど完了した。環境省としては初めて、短い工期で高強度の建築物が施工できるCLT(直交集成材)を全面的に活用した。現場は標高2000m。工事は平井建設工業(本社・当麻)が受注し、厳しい自然環境下の作業で竣工までこぎ着けた。

完成した避難小屋と資材を運ぶヘリコプター(平井建設工業提供)

 上川町内に位置する白雲岳避難小屋の規模はW造、2階、延べ98m²。旧施設は築40年以上が経過し、老朽化が進んでいたため7月上旬―9月末の工期で建て替えた。環境省北海道地方環境事務所が発注し、実施設計はアジア航測が担当した。

 施設は全面的にCLTを活用し、外壁には太陽光パネルを設置した。登山口から避難小屋は徒歩で片道約4時間かかる地点。環境省が示した登山の難易度を5段階で示す大雪山グレードによると、同避難小屋付近はグレード4から5。厳しい自然環境における休憩地点となる。

 平井建設工業の平井健一郎社長は「普通の建築工事よりも気を付けることは多くあった」と話す。登山口から現場までは歩いて移動するため、登山中の滑落、転落事故には細心の注意を払った。資材はヘリコプターで運搬。同社は荷造りを進め、ヘリコプターの操縦は中日本航空が担った。「天候が悪いと飛行はできない。飛行日程に合わせた工程管理を立てるのが難しかった」と振り返る。

 現場に着いても気は抜けず、強風が吹き荒れる悪天候の中で施工した。国立公園内の植物を傷付けないよう、専門家の指示を仰ぎながら避難小屋周辺の植物を移動。山間部で活躍するクレーンを使い、CLTパネルを組み立てていった。

 旧避難小屋の建設も同社が担当した。平井社長は「父の代から避難小屋の建設に携われて光栄」と話している。環境省大雪山国立公園管理事務所の桝厚生所長は「安全に登山をするための適切な情報提供をする施設にしたい。マナーを守り、大切に使ってほしい」と呼び掛けている。ことしの大雪山の登山シーズンは過ぎたため、供用開始は来年夏からとしている。(旭川)

(北海道建設新聞2020年10月28日付10面より)


関連キーワード: 建築 資材

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 東宏
  • 川崎建設
  • 古垣建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想...
2021年01月13日 (4.1k)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (2.3k)
定山渓グランドホテル瑞苑建て替え 20年春に着工...
2019年02月28日 (1.2k)
大成が542億円で首位 20年度ゼネコン道内受注高...
2021年05月11日 (1.1k)
北広島市と日本エスコン 駅西口周辺エリア活性化整備...
2021年04月27日 (1.1k)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓new

おとなの養生訓
第207回は「変異株」。第4派の原因となったイギリス株。感染力が強いため、対策の徹底や再点検が必要です。

連載 本間純子
いつもの暮らし便
new

本間純子 いつもの暮らし便
第8回「ワンルームマンションで暮らすこと」プラス2畳分の収納があると、生活がしやすくなります。

連載 都心再生

札幌駅前、大通り、ススキノ・中島公園の市内都心部各エリアの再開発動向を追った。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第7回「一時支援金の事前確認」珍しい業種、取引のなかった顧客との新たな出会いの契機になりました。