樽前山火山砂防の21年度以降残事業費は123億円

2020年11月02日 15時00分

 室蘭開建が進める樽前山火山砂防事業の2021年度以降残事業費は、123億円となる見通しだ。これまでに遊砂地、砂防堰堤10施設、流木捕捉1施設が完成し、現在は砂防堰堤2基を建設中。今後施工する施設についても検討を進めていて、有事における周辺地域の防災力向上を目的とした整備を継続する。

 樽前山は、約4万年前の支笏火山噴火後に誕生した活火山で、1667年と1739年に大規模噴火が発生し、大量の火砕物を噴出。19世紀以降には70回以上の噴火が記録されていて、20世紀に入ってからも小規模噴火を繰り返している。

 山麓には苫小牧市、白老町の市街地などがあるほか、国道36号、道央自動車道、JR室蘭本線といった交通網が形成されている。物流拠点を見ても新千歳空港、苫小牧港といった重要施設が立地。ひとたび噴火となれば住民生活、地域経済ひいては全国の社会経済にも甚大な影響を与える恐れがある。

 このため、94年度から直轄により事業着手。灰と雨が一緒になって流下する降雨型火山泥流、冬季に山へ降り積もった雪が噴火で溶け、土砂や火山灰とともに流れ出る融雪型火山泥流をせき止めるための各施設を順次建設している。総事業費は201億円。

 これまでの進捗を見ると、19年度末時点で降雨型火山泥流は整備対象土砂量297万4000m³のうち約270万m³、融雪型火山泥流は3214万m³のうち約580万m³の土砂量が整備済み。

 現在建設中の施設は、熊の沢川2号砂防堰堤と覚生川3号砂防堰堤の2基で、20年度はこれら砂防堰堤の建設工事3件、流木捕捉工事の1件を発注。21年度以降も両堰堤の施工を継続する方針だ。

 このほか、熊の沢川3号砂防堰堤の詳細設計が完了。規模は同川2号堰堤と同程度で、2号堰堤の上流側に整備する見込み。

 現在の樽前山は一部の火口、噴気孔群、亀裂で高温の状態が続き、注意が必要な状況にある。同開建は、現時点の整備率では火山噴火による土砂災害の発生率が高い状態にあると分析。本道の生活と社会基盤を守るため、さらなる事業促進が望まれる。

(北海道建設新聞2020年10月30日付13面より、WEB掲載にあたり一部を抜粋)

 北海道建設新聞2020年10月29日付12面では、堰堤・遊砂地施設の構造、延長、高さ、完成年度を、箇所付けで掲載しています。

 本紙のご購読についてはこちらのページからお問い合わせ下さい

 記事は紙面のほか、有料の会員向けサービス「e-kensinプラス」の「記事検索コーナー」でも記事をご覧いただけます。詳しくはこちらのページをご覧下さい


関連キーワード: 土木 胆振

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • web企画
  • 日本仮設
  • 北海道水替事業協同組合

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (3,089)
BP新駅で大規模開発 高層MS、商業施設、ホテルな...
2022年06月29日 (2,705)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (2,223)
おとなの養生訓 第126回「なぜ吐くのか」 空腹時...
2017年12月22日 (1,753)
おとなの養生訓 第44回「肥満と発汗」 皮下脂肪が...
2014年04月25日 (1,424)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 激化する若者獲得競争
地方企業が取るべき
戦略は-new

激化する若者獲得競争 地方企業が取るべき戦略は-
若者獲得に向けた工夫とは。釧路市内の団体が開いたセミナーから、各回の講演概要を紹介する。

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第234回「アセトアルデヒド」。二日酔いの原因物質で、顔の赤みや動悸、胃腸への刺激を引き起こします。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第21回「住宅の内装/色と素材感」。質感や柄から受ける印象も大切にしてコーディネートを進めたいものです。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第20回「能力向上へ適切な指導」正しいゴールの設定やフィードバック、成功体験が大切です。