関越道の立ち往生

2020年12月22日 09時00分

 冷え込む日が続く。これだけ寒いと無性に温泉が恋しくなる。同じ思いの人は少なくないのでないか。大きな湯船に体を伸ばしてつかり、たゆたう湯にのんびり身を任せる。至福のひとときである

 ▼その土地ならではの泉質はもちろんだが、湯煙もまた温泉の風情を感じさせてくれるものの一つだろう。「湯けむりや夕べ湯殿山に雪女郎」佐川広治。冬は空気が冷たいため、前が見えないくらい濃い水蒸気が発生する。今回、東北の日本海側を襲い、関越自動車道で多くの車を立ち往生させた大雪も原理はこれと同じだったようだ。日本海の海面水温が平年より1、2度高かったところに真冬並みの強力な寒気が押し寄せ、際限なく雪雲が発生した

 ▼関越道の立ち往生は16日夕、上り線塩沢石打IC付近で大型車が動けなくなったことから始まったとみられている。渋滞で多くの車が停止を余儀なくされている間にも雪は激しく降り続け、気付いた時には既に手遅れ。すっかり雪に閉ざされていたというわけである。最もひどい時で上下線合わせて2100台が立ち往生し、自衛隊が緊急出動する騒ぎにまで発展した。飲食物を持っていない人も多かったに違いない。燃料が切れると暖はとれないし、車が雪に埋まれば一酸化炭素中毒の危険もある。救助を待つ人々も気が気ではなかったろう

 ▼長い立ち往生は18日夜、解消した。結局最後まで52時間、丸2日以上かかったそうだ。運転手らはもちろん、昼夜徹して救援作業に当たった方々の疲れはいかばかりか。まずはゆっくり温泉につかって体を休めてほしい。


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