WHO独立委が武漢コロナで中間報告

2021年01月21日 09時00分

 当欄で新型コロナウイルスに初めて触れたのがちょうど1年前のきょうだった。中国の武漢市で発症者が相次いでいるとして、すぐに始まる春節長期休暇で中国人が日本へ大挙して訪れることに懸念を示す内容である

 ▼とはいえ「感染力は弱く、重篤になるのもまれ」と楽観していたところをみると、当時はそれくらいの認識しかなかったのだろう。まさか1年後に世界がひっくり返るような事態になっていようとは。次第に明らかになってきたのは中国がおととし12月の初期段階で、ウイルスの発生を隠蔽(いんぺい)しようとした疑惑である。ところが中国は頑としてそれを認めない。1年たってようやく一つの答えが出たようだ

 ▼14日に初めて武漢に入った世界保健機関(WHO)の独立調査委員会が18日に中間報告を発表。中国の初動対応に遅れがあったと厳しく指摘したのである。中国はなんやかやと理由を付け、独立委の現地入りを長らく拒み続けていた。よほど知られたくない事実があったとみえる。独立委はWHOが1月30日まで緊急事態宣言を出さなかった点にも疑問を呈した。テドロス事務局長はその数日前に訪中。習近平国家主席と会い、対策を称賛している。テドロス氏は中国に特別な配慮はしていないと言うが、さて

 ▼結局、感染拡大防止に最も重要な最初の2カ月を無駄にしたわけだ。ゴールキーパーもディフェンダーも置かず、ウイルスが次々とシュートを決めるのをただ見ていたようなもの。それから1年、入り口でつまずいたばかりに世界はいまだ出口を見つけられずにいる。


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