延べ最大6000m²　ＤＢやＥＣＩ方式検討

　美唄市は、市立美唄病院建て替えの基本構想・基本計画素案をまとめた。整備手法はスケジュール短縮や建設コスト縮減で、デザインビルド(ＤＢ)方式やＥＣＩ方式を基本に検討し、2021年度早々にも決定。その後、基本設計に着手し12月をめどに完了させる。22年度に実施設計・施工に着手し、23年度中の開院、24年度の現病院の解体、25年度の外構整備を目指している。

　開設時の病床数は2病棟75床で、一般病棟43床(うち地域包括ケア病床15床)、療養病棟32床の内訳。延べ5625―6000m²の規模を見込む。感染症患者の動線分離など、患者や医療従事者を守るための感染症対策に留意した施設整備計画とする。

　病床規模や機能は将来的な人口減少を見据え、5年ごとに見直し、40年には60床1病棟化に再編。削減病床は、感染症予防や認知症対策などのための個室化、今後拡充が必要となる回復期機能のほか、人材育成の場として総合診療医の学生や看護実習、理学療法士、作業療法士などの実習生の受け入れ・教育研修施設などに転用し、効果的な活用を図る。

　診療科目は現行と同じ7科目を基本とし、開院10年後には総合診療科を中心とした診療体制にする。

　構造は将来の医療需要の変動に対する、医療提供体制の変化や病床機能の転換にも柔軟に対応しやすいスケルトン・インフィル構造を採用。改修などで構造的な障害を極力少なくする計画とする。更新期間の短い建築設備についても、病院機能を維持しながら更新可能なパイプスペースの確保に努める。

　ＤＢ方式やＥＣＩ方式を考慮した概算事業費は、33億円(設計費1億円、建築費25億円、解体・外構費5億円、医療機器等整備費2億円)を基本に、最大で35億円程度と試算。企業債のほか、活用できる国や道の補助金を調査して財源確保に向けた検討をし、病院事業の実質負担の抑制に努める。

　建設地は西2条北1丁目1の1にある現病院(ＲＣ造、5階、延べ9010m²)の南側の駐車場と旧ＭＲＩ棟がある場所で、昭和通に面している。駐車場は患者用80台程度、職員用67台程度を新病院に隣接して設置。旧ＭＲＩ棟は新病院着工前に除却する。

　素案は3日から3月4日まで意見を募集。修正後、年度内に最終的な基本構想・基本計画を策定する。

(北海道建設新聞2021年2月3日付4面より)