ポール・マデン駐日英国大使

2021年02月13日 09時00分

 外国人でありながら日本の文化や習俗をこよなく愛し、世界にそれを発信してくれる人がいる。最も有名なのは記者で作家のラフカディオ・ハーンだろう。日本に帰化し小泉八雲と改名までした人である

 ▼来日後最初に発表した『知られぬ日本の面影』(1894年)のはしがきにハーンはこう記していた。「日本人の生活のあのたぐいまれなる美しさ、世界の諸他国のそれとはおよそ趣を異にしているあの美しさ」。浮世離れした文化でなく、庶民の暮らしやそのたたずまいに感銘を受けていたらしい。「ヨーロッパかぶれのした上層階級」より一般大衆の方が「国民的美徳を代表している」と指摘していた。いろいろな国を見ている外国人は、他国の優れた点を見つけやすい

 ▼4年の任期を終え、今月末に離任するポール・マデン駐日英国大使もその一人。日本との付き合いは40年にも上るという。今のうちに日本へ感謝の意を伝えたいと先月中旬から、ツイッターで「#日本の39」と題する投稿を続けている。筆者も楽しく見ていた。すでに「#30」まできている。中から幾つか紹介したい。「11温泉。長いハイキングの後、星空の下、露天風呂に浸かる幸せ」、「16祭。日本の全ての地域にはお祭りがあるようです。日本の豊かな文化」

 ▼「18居酒屋。ビール、枝豆、空揚げ、餃子、揚げ出し豆腐、日本の友人たち。すなわち、天国」。他にもお米、渋谷スクランブル交差点、鳥居など。いずれも見慣れた風景ばかり。それの当たり前にあることが実はどれだけ幸せか。われわれも言われて初めて気付く。


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