北見市内の若松市民スキー場Aコース(延長1080m)を研究利用している北見工大は、国の交付金を活用し、コース内にタワー型などの人工降雪設備を設置する考えだ。同大が取り組むトップアスリートの用具開発やスキル解析といった研究のさらなる推進に向け、ゲレンデ環境を早期にかつ安定的に整備するのが狙い。2021年度シーズンオープン時から供用を始める見込み。
16日の市議会総務教育常任委員会で市社会教育部の担当者が報告した。市民利用や合宿誘致など冬季スポーツ振興にとって有効な取り組みだと認識し、同大の設置要請に対してゲレンデ使用を許可するとした。
同大冬季スポーツ科学研究推進センターは、北見市冬季スポーツ科学コンソーシアム構想の実現に向け、19年からAコースを活用し、アルペンスキー選手の競技力向上や生涯スポーツの発展・定着、地域社会の活性化などを目指し研究に取り組んでいる。
研究期間は24年3月までを予定。同大はこれまでにゲレンデを夜間、研究活用するため、ナイター照明設備を設置した。今回は良質な雪を大量に造ることが可能なタワー型5台、移動型3台の人工降雪設備をAコースの急・緩斜面に整備する計画だ。設備導入や維持管理経費は同大が負担する。
また、人工降雪設備の導入により例年1月10日前後のスキー場供用時期が12月中旬ごろに早まることが期待されていて、市は合宿チームの誘致などといった経済波及効果につながると展望している。
(北海道建設新聞2021年2月18日付9面より)