全豪オープンの女子テニスシングルス決勝で、世界ランキング3位の大坂なおみ(日清食品)がジェニファー・ブレイディ(米国)を下し優勝した。2年ぶり2度目の快挙である。中継を見ていたが、息詰まる熱戦というより大坂選手の横綱相撲だった。危なげがない
▼他に類を見ない活躍を長年続け、確かな実績を残した選手を昨今は〝レジェンド〟と呼ぶ。大坂もいずれその仲間入りをすることになるのでないか。レジェンドといえば、誰もがすぐ思い浮かべるのはスキージャンプの葛西紀明選手とサッカーJリーグの三浦知良選手だろう。二人とも常に第一線でそれぞれの競技を引っ張ってきた。結果を出すために自分を厳しく律する姿勢も有名だ
▼当時はそんな呼称がなかったものの、本道の熟年以上世代にとってはこの人もやはりレジェンドでないか。不用意な言葉に端を発する騒動で職を退いた森喜朗元首相の後を継ぎ、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長に就任した橋本聖子参院議員である。道産子の女子スピードスケート選手として1984年のサラエボ冬季大会から五輪に出場。92年アルベールビルの1500mで日本女子初の銅メダルを獲得した。夏の五輪にも自転車でエントリーするなど全てを競技にかけてきた人である
▼政界への進出もだがなぜそんなに頑張れるのかといつも感心していた。今度もスケートなら最終コーナーを曲がり一番苦しい時の就任だ。ただレジェンド橋本聖子なら成し遂げてくれそうな気がしている。五輪成功という新記録への挑戦にエールを送りたい。