カセットテープ

2021年03月16日 09時00分

 シンガーソングライター松任谷由実さんの『リフレインが叫んでる』は、歌い出しの「どうして どうして」が印象的な楽曲だ。リリースされて30年以上たつが、今聴いてもほとんど古さを感じない。これに限らず、〝ユーミン〟の歌はたいていそうだ

 ▼ただ、やはり時代を映す部分はあって、それはこんな歌詞に表れている。「すりきれたカセットを久しぶりにかけてみる」。そう、懐かしのカセットテープである。聴きたい曲がいっぱいあるのにレコードを買うお金はそれほどない。そこで頼りになるのがカセットだ。レコードを持っている友人に録音してもらうのである。事情は皆同じなため若いころはよく融通し合った。たまにメタルだクロムだとカセットの音質にもこだわってみたりして。まあ、その違いが分かった試しはなかったが

 ▼そんな昔を思い出したのはカセットを発明したルー・オッテンス氏が6日、亡くなったとの報に触れたからである。オランダ電機大手フィリップスの音響技術者だった。ポリエステルのテープに磁性体を付けた記録媒体は既にあったが、氏のチームはその機構を小型カセット内に収め、規格化することで量産を可能にした。1963年発表というから50歳以上の人にとっては最もなじみ深い製品の一つだろう

 ▼筆者もその一人で、まだ多くのカセットを残してある。思い立って50年近く前にテレビ音声を直接録音した『宇宙戦艦ヤマト』を再生してみると、安い製品なのに驚くほど音が劣化していなかった。優れた技術はそう簡単にすり切れたりはしないものらしい。


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