札幌琴似工高電子機械科の3年生2人が、2020年度後期技能検定の機械加工(普通旋盤)2級に合格した。同校から2級合格者が出るのは初めて。こつこつと練習を続けた成果を本番で十分に発揮し、快挙を成し遂げた。

快挙を成し遂げた紺谷さん(右)と平佐さん
合格したのは紺谷初音さんと平佐修一さん。電子機械科2クラスで唯一の女性という紺谷さんは、道内の高校生で初となる女性2級合格者。平佐さんは2度目の挑戦で、見事に雪辱を果たした。
機械加工(普通旋盤)技能検定は、学科と実技の試験で構成。本来は20年度前期に実施予定だったが、新型コロナウイルスの影響で後期に移行した。同校では3級の受験者は多いが、難易度の跳ね上がる2級の受験は少ない。ハードルの高い実技内容に四苦八苦しながら練習にいそしんだ。
4月から名古屋市の企業で働く紺谷さんは、高校生ものづくりコンテストや東北ポリテックビジョンものづくり競技会などに出場して技術を磨き、検定の受験を決めた。3カ月ほど前から実技の練習を重ねたという。「決められた課題を時間内に仕上げられるよう、土日もどちらかは学校に来て練習した」と振り返った。
千葉県内の大学に進学する平佐さんは、自転車が好きで、その部品を自身で作れるようになりたいとの思いもあり検定に挑戦。今後について「ものづくりをする人の気持ちを高校で学んだので、これからはものづくりをする人たちのサポートをしていきたい」と目標を語った。
2人を指導した同科の小田啓雄教諭は「合格を勝ち取れたのは、放課後や休日も学校で実技の練習を重ねた結果」と努力をたたえ、「琴似工高で初となる2級合格者。しかも2人が合格してうれしい」と喜びを表した。
(北海道建設新聞2021年3月29日付18面より)