このところ、日本人アスリートの活躍が目覚ましい。感嘆の声が止まらない人も多いのでないか
▼まず6日、19歳の笹生優花選手が史上最年少で女子ゴルフの全米女子オープン制覇を成し遂げた。同日、陸上の山縣亮太選手が布施スプリント(鳥取市)の男子100mレースで9秒95の日本新記録をマーク。米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手は8日までに17本のホームランを放ち、一時はリーグトップに並んだ。全身全霊を懸けて勝負に挑む姿は美しい。それに引き換え2年ぶりの対決、党首討論の生ぬるいことといったら―。枝野立憲民主党代表が今夏の東京五輪開催意義を尋ねると、菅首相は前の東京五輪の思い出を長々と語り、しばし追憶の旅
▼一方の枝野氏は終始原稿を見ながらの発言だったが、最後に「きょうの討論も残念ながら、これなら安心だとのメッセージにはなっていなかった」と読み上げたときにはがっかりした。何のことはない。討論前からそう話すと決めて原稿を用意してあるのだ。これでは討論といえない。国民は首相と各党首が丁々発止やり合う緊張感のある議論を期待していただろうに。もしかするとあれは朗読劇だったのか
▼野党の中で目を引いたのは玉木国民民主党代表だ。30兆円の補正が必要との主張に、菅首相が前年度予算から同額の持ち越しがあると反論すると、「この状況で持ち越しがあるのが間違い。新たな補正はそれと別だ」と一蹴したのである。的を射ている。とはいえ今回の党首討論も全体に低調。国民の口から漏れたのは感嘆でなく落胆の声だろう。