「次世代に残せるものを」
東神楽町は10日、役場庁舎隣接地で文化ホールなど複数の公共施設を一地区にまとめる複合施設整備の起工式を開いた。施工者や基本設計を担当した藤本壮介建築設計の藤本壮介氏ら関係者一同が工事の安全を祈願。山本進町長は「次の世代に残せるものを造りたい」と意気込んだ。
現行の役場庁舎は1967年の完成で、増築部以外は老朽化し耐震性がないため建て替えに着手。増築部と図書館となっているメモリアルホールはそのまま生かし、周囲にRC造、平屋を基本とする延べ6278m²の複合庁舎を建設する。
この庁舎のうち現行の役場の南西側には文化ホールを、北東側には診療所とバス待合所を設ける。役場周囲にはこれらの建物をつなぐ円状の回廊を巡らせ、利用者が自由に行き来できる空間をつくり出すほか、回廊の外周にも同心円を描くように木を植えることで環境との調和も図る。
基本設計は藤本壮介建築設計、実施設計はドーコン・創明建築設計共同体が担当。藤本氏は同町の出身で、2025年大阪万博の会場デザインプロデューサーも務めるなど国内外で高い評価を受けている。
施工は建築主体が橋本川島コーポレーション・東成建設・長田組・山本建設共同体、電気が西山電設・東神楽電気・山菱電気工業共同体、管が大洋設備・北伸設備工業・柳沼・カサイ住宅設備共同体、外構など土木が高橋建設(東神楽)・小広川建設共同体の4工種からなる乙型共同企業体で23年度末の完成を目指す。
起工式では玉串の奉納やクワ入れなど神事をして工事の安全を祈願。山本町長は「次の世代に心から喜んで使ってもらえるような施設を残し、この町に住んで良かったと思ってもらいたい」と話した。
藤本氏は「何十年も愛着を持って使ってもらいたい」とあいさつ。共同体を代表して橋本川島コーポレーションの橋本毅社長は「工期完了まで安全第一で施工する」と決意を示した。(旭川)
(北海道建設新聞2021年6月14日付10面より)