明石家さんまやダウンタウン、千鳥といった有名芸人を数多く擁する「お笑い」の総本山といえば吉本興業(大阪)だろう。本道出身のタカアンドトシも所属している
▼ご存じとは思うが芸人に限らず音楽アーティストや俳優、スポーツ選手などそのマネジメント活動は幅広い。ただ、グループ傘下に「よしもとロボット研究所」があるのを知っている人は少ないのでないか。芸人のコンビ名でなく本物の会社である。エンターテインメントコンテンツの企画監修・開発に特化し、「人を笑わせることのできる」ロボットを作るのが目的なのだとか。吉本流の冗談のようだがさにあらず。客を笑顔にする吉本のノウハウをロボットに投入し、新たなコミュニケーション体験を生み出そうという野心的な試みである
▼その吉本だが、次は宇宙に手を広げるようだ。今度こそ大風呂敷に違いないと思いきや、どうやら真剣らしい。宇宙船を開発する企業への出資と、宇宙港建設のコンソーシアムへの参加を決めたそうだ。事業主体のPDエアロスペース(愛知)がおととい、吉本興業ホールディングス子会社のよしもと統合ファンドや豊田通商から約3億9000万円を調達したと発表した。高度100㌔到達が可能な「完全再使用型無人サブオービタル機」の開発を進めるという。宇宙機は各種観測業務の他、宇宙旅行や科学実験、新規材開発に使われる
▼芸人へのいわゆる〝無茶振り〟が得意な吉本も黙ってはいないはず。完成した暁には「タカアンドトシアンドロボット」で宇宙珍道中を企画するかもしれない。