2日、開発局の事業審議委が了承
北海道開発局の事業審議委員会(委員長・蟹江俊仁北大大学院工学研究院教授)は2日、未着工のままとなっている北海道横断自動車道網走線足寄―陸別間31㌔を事業再開する方針を決めた。この決定を受けて、今後、国土交通省本省で調整に入る。事業が再開されれば、十勝圏とオホーツク圏が高規格幹線道路でつながる道筋がつく。
この日は高規格幹線道路4事業を再評価。道横断道網走線足寄―北見については、開発局が提示した「当面着工しない区間と位置付けた足寄―陸別間の事業再開を含め事業継続する」との対応方針案を了承した。 足寄―陸別間周辺では2016年に豪雨災害による通行止めが発生。18年には現国道の洪水浸水想定区域が新たに確認されるなど防災・減災の観点で同区間の果たす役割に期待が集まっていた。
昨年10月の社会資本整備審議会道路分科会北海道地方小委員会では、災害に強い国土幹線道路ネットワークの審議で当面着工しない区間について「早期の整備が必要」と総括。事業の必要性や重要性が増していることから開発局は事業再開を提案した。
委員会が方針を決めたことを受け、整備計画の変更が必要な場合は知事の意見照会を経て本省での手続きに入る。事業再開後は、地元説明の後、現地調査に着手する見通しだ。
費用対効果の算定上では、事業再開区間を含む足寄―北見の供用予定は27年度で残事業費は338億200万円。残る作工物は、橋梁が100m以上6基、100m以下10基、跨道橋9基。インターチェンジは平面Y型1カ所を想定している。
この他の事業について、道縦貫道士別剣淵―名寄と237号富良野北道路で事業費の増額や事業期間の延長を了承。士別剣淵―名寄は軟弱地盤対策工を変更するため、全体事業費は36億円増え373億円、事業期間は4年延び23年間とした。
富良野北道路は軟弱地盤対策工の追加、切り土土質や立ち入り防止柵の見直しなどにより、全体事業費は75億円増の251億円、事業期間は4年増の19年間を見込む。道横断道網走線端野高野道路の再評価についても妥当と判断された。
道横断道足寄―北見は、03年度に道路関係4公団民営化の議論の際、政府・与党の申し合わせにより抜本的見直し区間に指定され、着工が凍結した。05年度には陸別町小利別―北見間を緊急に整備する区間と位置付け整備を再開。さらに14年度に陸別町陸別―同小利別間も再開されたが、残る足寄―陸別間は20年近く先送りされたままとなっていた。