セレモニーに加藤官房長官ら
民族共生象徴空間(ウポポイ)が開業1年を迎え、17日に記念セレモニーが開かれた。加藤勝信内閣官房長官や鈴木直道知事らが参加し、1周年を祝うとともにアイヌ民族の文化の理解促進へ一層取り組むことを誓った。

関係者らが集まり開業1周年を祝った
ウポポイは、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、当初の予定より遅れ、昨年7月12日に開業した。
アイヌ民族文化財団の常本照樹理事長は「この1年で25万人を超える人に来場いただいた。コロナで制約のある中でも多様で豊かなアイヌ文化に触れてもらったが、文化の伝承、創造発展には成果が出せていない。新たな文化の創造発展の拠点としてさらに力をそそぎたい」とあいさつした。
加藤官房長官は「アイヌの歴史、文化に関する国民の理解を一層促進することが重要。アイヌ文化の復興、創造の拠点であるウポポイの果たす役割は大きい」と強調。「一人でも多くの人がウポポイを訪れ、文化体験や民族共生の理念に共感してもらえるよう、コンテンツの充実、PRに取り組みたい」と表明した。
鈴木知事は「アイヌ文化の振興や、北海道の観光振興の面からもウポポイは重要。ウポポイをはじめとする関連施設を魅力的なものにして伝えたい」と述べた。
ウポポイPRアンバサダーを務める俳優の宇梶剛士さんは、母親がアイヌでアイヌ復権に向けて精力的に活動していた思い出などを振り返り、「ウポポイが文化の集まれる場所になるように、自分もできることをやりたい」と話した。
このあと、アイヌの伝統芸能「シノッ」が披露され、参加者全員で祝った。
(北海道建設新聞2021年7月20日付11面より)