昼間に屋外へ出ると立ち上る熱気に思わずたじろぐ。このところ本道はそんな日ばかりだ。もう勘弁してくれと、力なく天を見上げた人もいるのでないか
▼札幌や旭川、北見では気温30度超えが当たり前。きのうは何と稚内市声問で観測史上最高の32・7度を記録したという。例年であれば夏もそれほど暑くならない冷涼な地域である。身にこたえるに違いない。「石も木も眼に光る暑さかな」去来。逃げようがない。近頃は工事などで屋外作業をしている方々をよく見るようになった。民間建築に加え、公共土木も本格化する時期だろう。湿気の少ない本道とはいえ、朝から晩まで日にさらされての仕事は大変だ。どうか熱中症には注意していただきたい
▼大切なのは日頃の体調管理と無理をしないこと。適度な塩分を含んだ水分をこまめにとることも忘れずに。衣服内を強制的に換気する「空調服」も場に応じて活用したい。感染対策のマスクだが、厚生労働省も熱中症の恐れがあるときの着用は勧めていない。もう一つ、知っておいた方がいいのは高血圧の治療に使う降圧薬が熱中症リスクを高める事実である。22日付の本紙連載『おとなの養生訓』で當瀬規嗣札医大教授が注意を呼び掛けていた
▼読み逃した方は新聞をひっくり返してほしい。要は利尿作用で水分不足が一層進むのである。第一生命の『サラリーマン川柳』にも「いい数字出るまで計る血圧計」という句があった。高血圧症の日本人は珍しくない。厳しい暑さはまだしばらく続くようだ。くれぐれも体が発する注意信号を見落とさぬよう。