義務教育学校開校などのまちづくりが住宅需要に
当別町の町有分譲宅地「ゆとりっち稲穂」が完売間近だ。58区画のうち、19日時点で残り4区画。3区画が契約済みで、1区画も近く契約する見通しとなっている。一体型義務教育学校町立とうべつ学園開校やJR札沼線ロイズタウン駅開業などの決定が影響し、2020年度の販売件数は前年度比4倍の8件。まちづくりが実を結び、住宅需要につながっていることがうかがえる。
ゆとりっち稲穂は、JR札沼線石狩当別駅から徒歩11分の末広地区に広がる。敷地は1区画当たり358―422m²の広さ。地目は宅地、用途地域は第1種中高層住居専用地域で建ぺい率60%、容積率200%。
1997年度に分譲開始した当初は申し込みがあったものの、03―09年度は0件で推移。その後も売れても年に1、2件と低空飛行が続いた。
ただ、徐々にまちづくりが進み、17年度に北欧の風道の駅とうべつがオープン。にぎわいが生まれた。今後も22年4月のとうべつ学園開校や同年春のJR札沼線ロイズタウン駅開業が控え、町が注目されるようになった。
その結果、18年度0件、19年度2件だった販売件数が20年度は8件に跳ね上がり、人口も増加した。
事業推進部事業推進課の担当者によると、義務教育学校の建設が決まってからは、札幌市を中心に20―30代の子育て世帯の購入者が多いという。とうべつ学園の建設地がゆとりっち稲穂に隣接していることも後押ししている。
町は、町営住宅の新設を都市計画マスタープラン改訂版に盛り込んだ。多様化する住宅需要に対応するほか、石狩当別駅周辺で魅力ある居住空間を目指す。
民間では、スウェーデンハウス(本社・東京)が宅地のスウェーデンガーデン当別太美第1期を販売中だ。
町担当者は「まちづくりに期待が寄せられ、町に目が向けられている。各種整備と合わせて人口増につなげられれば」と話し、新たな人の流れによる活性化を目指す。
(北海道建設新聞2021年8月23日付10面より)