市街地の30haを新候補地に
町の市街地に新たな企業を呼び込め―。南幌町は新たな企業誘致に向け、市街地の南16線西10の北海道供給公社の土地と町有地の計30haの用途地域変更について、北海道供給公社、道と協議中だ。住居専用地域から準工業地域などへの変更で、2022年度中の手続き完了を目指している。物流などの企業誘致を図りたい考えだ。(空知支社・荒井 園子記者)
町内では、車で15分ほどの距離の北広島市で日本ハムファイターズのボールパーク(BP)が23年春オープン、道央圏連絡道路の南幌ランプが24年度にも開通などを背景に、企業立地が加速。既存の晩翠工業団地は完売済みで、南幌工業団地の分譲率は97%に到達し、完売間近の状態だ。
町は企業立地の土地がないため、国道337号に面した南16線西10の一角全体30ha(北海道住宅供給公社21ha、町有地9ha)を新たな企業誘致の候補地とし、用途地域の変更を協議中。用途地域は準工業地域のほか、南幌小や住宅地に面する場所は住居専用地域に変更したい考え。市街地にあっても支承なく、雇用創出が見込める食品物流などの企業立地を想定し、手続き完了次第、地域住民の理解を得ながら誘致を本格化する意向だ。
また、スポーツセンター南側の中央2丁目182の町有地2万m²は、商業施設の誘致を展開中。敷地隣接地では定期借地でDCMホーマックニコットやツルハドラッグが営業している。北側の中央1丁目にある3万2000m²の土地は、アインホールディングス(本社・札幌)が所有。一時は複合施設の構想もあった場所で、市街地の活発な動向などの情報を伝え、利活用を働き掛けている。
国道337号を挟んだ南側の美園3丁目の中央公園多目的広場内では、町が誘客交流拠点施設建設を計画。22年度の着工、23年度のオープンを目指している。
隣接する自治体の大型施設のオープン、道央圏連絡道路整備をチャンスと捉え、町は今、活気あるまちづくりの実現に向け奔走している。
(北海道建設新聞2021年9月30日付12面より)